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読みたい本が貯まっている。野本三吉『未完の放浪者/第一巻 不可視のコミューン』(新宿書房)、米田綱路の『抵抗者たち』(講談社)、そして野沢尚の『破線のマリス』『砦なき者』など。どれも〈沖縄〉や〈時代〉を考えるうえで刺激になりそうだ。 だが、今は先日著者(藤野雅之氏)から送呈を受けた『サトウキビ刈かり援農隊/私的回想の30年』(ニライ社)を読んでいる。先日の八重山の旅の途上で南山舎(石垣島)の上江洲儀正くんがくれた『八重山歴史読本』(やいま文庫 6)を読み始めたばかりだったが、沖縄タイムスから書評の依頼が飛び込み順番が狂った。 『サトウキビ刈り-』の藤野氏は元共同通信の記者。20数年来の友人で、今年春にも八重山出身の小説家、仲若直子さんらと那覇の居酒屋で泡盛の杯を傾けたばかりの近しい間柄だ。 彼は沖縄の日本復帰を境に過疎化=人手不足で危機に陥ったサトウキビ農家を支援しようと、仲間と共に〈援農舎〉を立ち上げて希望者を募り、30年以上にわたって毎年100人近くを与那国島に送り続けている奇特な人だ。この本はいわばその体験記だが、心身を削っての自身の行為を決して正義ぶることなく、真摯なまなざしで島が直面している問題や己自身をみつめていて、読んでいてとても爽やかだ。社会部や文化部の記者をしながら、援農隊送り出しのお膳立てのため東京から2000キロも離れた与那国島に足を運んだり、隊員募集で北海道に行くなどの東奔西走には感心するばかりだ。 世はまれにみる沖縄ブーム。観光客は年550万人に達し、沖縄への移住者がなんと毎年2万人にも上るという。だが僕は、「沖縄で生きる」のではなく「沖縄を生きる」彼のような人こそ本当の「沖縄ファン」だと思う。こういう言い方をすると「沖縄のため」に何かをすべきだと言っているように受け取られかねないが、そうではない。僕が言いたいのは、沖縄と自分共々が互いに成長し、共に高めあえるような関わり方が望ましい、ということだ。 一方的な〈慈善〉や自分本位の〈享楽=観光〉は相手を傷つける。〈沖縄〉と〈本土〉のこんな関係を絶ちたいものだ。 |