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2005年9月27日(火)

亀も空を飛びたい


ゆく夏を惜しむアサガオの花 (千葉県松戸市で)

 9月26日(月)  神田の岩波ホールで上映中のバフマン・ゴバディ監督の「亀も空を飛ぶ」を見る。
 舞台はイラク北部クルディスタン地方の山岳地帯の村。アメリカがイラク侵攻を開始した2003年春。カメラは戦争で荒廃した小さな村でたくましく生きるクルド人の子供たちを追う。

 といっても、これはドキュメンタリーではなく、ゴバディ自身が脚本・製作をも兼ねた劇映画だ。地雷で両手を失った少年が口で地雷を掘る。サダムの軍隊にレイプされて産んだ盲目の赤児と絶望的に生きる、まだあどけなさの残る少女…。だれもが戦争で親を失い、日々の食糧にも事欠く孤児たちだ。

 いつの時代も戦争は真っ先に子供たちを不幸のどん底に突き落とし、幼い心に決して癒えることのない傷を刻み込む。ゴハディはクルド人が抱え込んだ絶望的な日常と非日常、子供たちの強さと明るさ、そして決して失うことのない希望を見事なカメラアイで叙事詩に昇華させた。

 と、いまとなってはこのように書くのだが、見終わった直後は正直なところ言葉もなかった。アメリカのいう民主主義とは何なのか。この子たちの存在の前に、いったいブッシュはいつまで“戦争の大義”を叫び続けるのか。

 夜は駒込の「琉球センターどぅたっち」で「瑠璃の島」観賞会の最終回。いつものメンバーが集まって、いつものように涙を流す。

 9月27日(火) 京都の岡部伊都子さんから『シカの白ちゃん』(藤原書店)が送られてくる。奈良の公園に生まれた、頭に白いやわらかな毛の生えた鹿の話。
 岡部さんがこの物語を書いたのはもう随分前のことだが、2年前には韓国語に訳されて韓国で出版、今度の本は中国語対訳だ。そして丁寧にも日中両語で吹き込んだCD付き。
 悲運にも交通事故で死んだ白ちゃんだが、いのちのいとおしさへの思いやりは、千里の海を越えて人々の心のなかにこだまする。いい仕事に国境なし。

 あすからは久しぶりの沖縄生活。テレビは台風がまた沖縄方面に向かっていると伝え始めた。週末の沖縄方面は沖縄大荒れか。

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