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9月30日(金) 台風19号の進路はまたまた先島諸島。先島直撃の台風は今年5つ目だ。しかも今度のもあなどれない。中心気圧は930ヘストパスカル、最大風速50メートル、目もはっきりしている。
秋の台風は太平洋を北へ直進、本州を直撃するのがお決まりだったが、近年は西南西コースが当たり前になってしまった。地球温暖化と関係があるのだろうか。
夜、東京の出版社勤めに終止符をうち、沖縄に帰ってきたばかりの岡本由希子さんを囲んで、『EDGE』編集長の仲里効さん、写真家の東松照明さんと那覇市牧志の「おもろ」で歓談。
岡本さんは青土社を辞め、フリーの編集者として真正面から〈沖縄〉と向き合う覚悟のよう。でも〈沖縄〉は彼女を「一編集者」にはとどめておいてはくれまい。彼女の才能と意欲はきっと出版にとどまらず広範に及ぶだろう。すでに幾つかの企画が動き出しているもよう。遠からず僕も発破をかけられることになりそうだ。
東松照明さんと直々にお会いするのは10年ぶり(1〜2年前、佐喜真美術館で開かれた写真をめぐるシンポジウムのときは、終了後混雑にまぎれてあいさつの機会を失っしていたので)。
近年つぎつぎと大病に見舞われた氏だが、飄々と、淡々と、そして熱っぽく〈沖縄の写真界がいまなすべきこと〉を語った。「写真アーカイブス」の設立についてだ。
「写真っていうのは、撮影者が死んだらその瞬間にごみになってしまうんだよ」
特異な歴史を歩み続ける沖縄。独自の風土に育まれた暮らしと文化。東松さんならずとも、多くのまなざしが注がれ、印画紙に焼き込まれた沖縄…。
確かに、貴重な写真を散逸し、ごみにしてしまってはいけない。
〈写真アーカイブス〉
その実現への推進役として東松さんは、仲里さんをおいていない、と盛んに決意を促した。確かに仲里さんは適役だろう。彼ほど、沖縄の写真を掘り起こし、読み込み、その一枚一枚に命を吹き込んだ人はいないだろう。
アーカイブのようなことは、本来は美術館や博物館などと同様、県など自治体がなすべきことだろう。マスコミの責務でもある。
〈一枚の写真が国家を動かすこともある〉
写真の持つ力は大きく重いが、社会の写真への評価は決して十分ではない。東松照明さんの提言を無にしてはいけない。
10月1日(土) 浦添市立美術館で開かれている写真展「地球を生きる子どもたち」(日本テレビ文化事業団・沖縄テレビ共催)を見る。写真がドキュメンタリーとしての働きを始めた19世紀初頭から現代までに撮られた、世界の子どもたちの写真257点(沖縄展は201点)が、継承、生存、犠牲、再生、記憶、尊厳、そして希望など10のテーマに分けて展示されている。
写真がきちんと保存されているからこそ可能な企画展。沖縄の写真界や行政がこの催しから何をどう学ぶか。
帰途、宜野湾市まで足をのばし佐喜真美術館へ。9月に5刷りの出た『最後の学徒兵 BC級死刑囚 田口泰正の悲劇』(講談社文庫)、美術館でさらに300部の頒布を引き受けてくれたあいさつに行ったのだが、逆に昼食をご馳走に。
『最後の学徒兵』はすでに絶版で、著者の注文でかろうじて版を重ねている状況。現在全国で頒布しているのは佐喜真美術館ただ一か所。(あとは僕のHP上での直接取り引きのみ)。佐喜真館長の話では修学旅行の生徒たちがよく買って行くという。
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