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2006年9月23日(土)

「日の丸・君が代判決」など


近田洋一作『HENOKO』(完成版)

 9月20日(水) 自民党総裁選で、改憲・教育基本法改悪などを公言する安倍晋三(51)が予想通り当選した。
疲れるなぁ。今度は「お坊ちゃん鷹」の登場ときた。「戦後」の恩恵を受けて育った「生粋の戦後派」が「戦後レジーム(体制)の見直し」を言う愚。それになびく自民党の若手議員ら。目を覆いたくなる、とはまさにこのことだ。せっかく不快に満ちた“コ・イ・ズ・ミ節”から解放されるというのに…。これから毎日、見たくない顔を見せられ、聞きたくない声を聞くのか。先が思いやられるなあ。

 9月21日(木) 1か月ぶりに沖縄へ移動。那覇に着くなりテレビのニュースに釘付けになる。

 《日の丸・君が代が第二次大戦終了まで皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱であったことは否定し難い歴史的事実。現在も国民の間には国旗掲揚や国歌斉唱に反対する人は少なからずいる。こうした人々の思想良心の自由は憲法で保護されるべき権利》

 《教職員は国歌を斉唱しピアノ伴奏をする義務はなく、思想良心の自由に基づき、これらの行為を拒否する自由を有している》

 入学式や卒業式で日の丸掲揚時に起立しなかったり、君が代を歌わなかったために処分された東京の公立高校の教職員らが、その取り消しを求めた裁判で、東京地裁がこのような原告完全勝訴の判決を下したという。
 竹を割ったような明快さ。こんな良心的な裁判官がまだ日本にいたんだ。全身をさわやかな風が駆け抜けた。

 《(国旗・国歌を強制する都の通達や職務命令は)教育基本法が禁じた教育への不当な支配に該当する》
 難波孝一裁判長はこう断じ、東京都に対し原告への損害賠償の支払いを命じた。一点の曇りもない名判決だ。

 でも、「判決」で言っていることはごくごく当たり前のこと。その当たり前のことへの攻撃が間違いなく始まるだろう。 そのいわれなき攻撃から教職員や当の裁判官を守り、支えきること。いま僕らに問われているのはそれだ。

 9月22日(金) 故岡本恵徳氏(琉球大名誉教授)の七七忌。夕方首里のお宅へ焼香に。早いなぁ、亡くなったのはつい昨日のことのように思えるのに…。仏前にはきょうもまた、新川明、川満信一、豊川善一ら、かつての学生仲間の姿が…。

 折しも、けさの琉球新報に「第二次琉大事件」の真因に関するスクープ記事が出た。沖縄が米軍支配下にあった1956年、軍用地接収をめぐる集会に参加、「ヤンキー・ゴーホーム」と叫んだとして琉球大生 6人が、米軍当局の意向で退学処分になった事件。
 琉球新報によると、学生処分の米の狙いは、学生が発行していた文芸誌『琉大文学』をつぶすことにあり、学生の集会参加云々はいわば口実。
 〈琉大文芸部が大学の許可なく雑誌を発行し、アメリカ合衆国は抑圧者と帝国主義者の国家である、と激しく攻撃したことから(処分への動きは)始まった〉(今回新たに見つかった「琉大事件」に関する米軍の内部文書)
 故岡本氏は新川、川満、豊川ら共に米軍の攻撃にさらされた『琉大文学』の同人。当時は「池澤聡」のペンネームで米軍政への批判を込めた小説などを書いていた、いわば「同志」。

 事件はちょうど50年も前のことだが、仏壇を囲んだ当事者たちの間で「米軍の内部文書」の真否がひとしきり話題になる。
 米軍の圧制に青春を踏みにじられた“歴史の生き証人たち”の憤りや、やるせなさが生々しい。

 帰路、目取真俊さんのクルマに便乗させてもらい、午後 9時前帰宅。あすは、まだ手に入れていない目取真さんの最新作『虹の鳥』を買いに行かねば…。未読のため、折角久々に会ったのに感想も語れず失礼してしまった。大の「目取真小説フアン」でありながら、かたじけない。

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