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vol,14 2001年7月号

21世紀への不吉な予感

 6月末、沖縄・北谷町で米兵による女性暴行事件が起きた。犯人は嘉手納基地所属の24歳の軍曹。被害に遭ったのは20代の女性である。この事件をめぐってさらけ出された日本政府の人権感覚の低さと沖縄蔑視に強い痛憤を覚える。
 この問題に小泉内閣がどう対応するか。結果は予想どおり彼の危険な体質を露呈した。
 問題は3つある。
 第1は、「市民の人権」より「国益」を優先したこと。
 第2は、犯人の身柄引き渡しで「問題が解決」したと公言して止まないこと。
 第3は、日本の「安全」のために「沖縄を犠牲」にする戦前・戦後連綿となく続いてきた“国家の論理”をここでも踏襲したこと、である。なによりの問題はその過程で被害に遇った女性の痛みを共有する気持ちがまったくみられなかったことだろう。

 6年前の「少女暴行事件」で沖縄住民は8万5.000人が結集して、地位協定の改訂と基地の整理縮小を国に求めた。時の県知事・大田昌秀は「一少女の人権を守れなかった行政の責任」を詫びるとともに、「われわれは戦後50年間我慢してきた。今度こそ国が沖縄の要求に応える番だ」と叫んだ。

 しかし、国はそれに応えぬばかりか、後の知事選では「大田追い落とし」のため多額の機密費を稲嶺陣営に投入、「国の言いなりになる保守県政」を誕生させた。基地は整理縮小どころか普天間基地の名護市辺野古への移設を遮二無二押し進めている。

 沖縄住民は今回の事件と国の対応を通して、「軍事基地との共存」などあり得ないことを改めて知った。琉球大学教授の比屋根照夫は一連の動きを論評し次のように結論づけている。
 「『沖縄人の魂の尊厳性』を守り抜く手段が『平和的な抗議行動』で達成されないとすれば、どのような事態になるのか。21世紀への不吉な予感である。沖縄人の寛容さに甘え、対米従属に終始し、沖縄の怒りを単に振興策で収拾できると日本政府が考えているとすれば、それは大いなる錯誤だと断言したい」(「琉球新報」7月7日付け朝刊)。

 今回のような婦女子への暴行事件は沖縄では"氷山の一角"であることを、沖縄の現状に目をつぶり続ける多くの日本人は知るべきである。そしてそのような他国軍隊の駐留を支えているのが"思いやり予算"といわれる年間2.700億円に上る国民の税金であり、それをやめないかぎり「沖縄の犠牲」はいつになっても無くならないことを認識すべきだ。
 「沖縄の犠牲」はきのう今日に始まったことではないのである。そして悲しいことに「次の犠牲者」は、いま私たちがこうしているうちにも、約束されているのである。

---------以下、各団体やグループが出した抗議声明

No 1 基地・軍隊を許さない行動する女たちの会
No 2 強姦救援センター・沖縄(REICO)
No 3 沖縄県中頭郡北谷町議会
No 4 「立ち上がろう女性たち」 北谷町婦人連合会
No 5 沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会

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