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使いたい放題の沖縄基地

 近着の沖縄タイムスと琉球新報は米軍基地にまつわる三つの動きを大きく取り上げています。
 
一つは、沖縄にはないとされていた劣化ウラン弾が嘉手納基地弾薬庫に保管され続けていたこと。第二は、沖縄北部の民間地域で数十人の海兵隊員がライフル射撃訓練を行っていたこと。そして三つ目は沖縄近海に米軍の低空飛行訓練ルートが存在していたことが明らかになったことです。
 これらの事実(以下、詳報)は米軍が住民への危険性をかえりみないで沖縄基地を勝手気ままに使っていることを示すものですが、政府は現在のところ米軍への抗議など表立って動きはみせていません。

劣化ウラン弾

 劣化ウラン弾の貯蔵は5月25日、たまたま嘉手納弾薬庫を報道陣に公開した際、嘉手納基地に駐屯する第18航空団のスミス司令官が認めた。沖縄では1995年〜96年にかけて海兵隊が久米島近くの鳥島射爆で、日本国内では使用が禁じられている劣化ウラン弾1500発以上を発射していたことが発覚。米海兵隊は'97年、「在日海兵隊基地に貯蔵していたすべての劣化ウラン弾を撤去、米本国に移設した」と発表していた。
 劣化ウラン弾は、戦車などの強固な兵器を貫通する強力な砲弾で、米軍は湾岸戦争にも使用。深刻な後遺症が残ることなどから「極めて非人道的な兵器」として国際的な避難を浴びていた。
 在沖空軍のスミス司令官は、「劣化ウラン弾は皆が考えているほど危険なものではなく、人体への悪影響はない」としたうえで、配備の目的を「朝鮮半島から中近東有事に備えてのもの」と説明。貯蔵量については明らかにしなかった。
 沖縄県は「真意を確認したうえで速やかな移設を要求したい」としている。因みに鳥島で使用された劣化ウラン弾約1520発のうち、これまでに発見、回収されたのはわずかに247発に過ぎず、地元では環境に与える影響が懸念されるとして早期回収を求めている。(詳しくは5月25日付け沖縄タイムスを)

砂糖きびと銃弾

 沖縄本島北部・東村嵩江のきび畑で5月23日夕刻、40〜50人の海兵隊員がうつ伏せになって銃を構えたり、歩ふく前進をしているのを通りかかった付近住民が見つけ、問題化した。東村の助役らが現場調査したところ、広い範囲にわたり薬きょう数百個が散乱、米軍車両が残したとみられる輪だちや、射撃の標的とみられるベニヤ板などが畑の中から見つかった。米軍側は沖縄県の抗議に対して「兵士50人余りが道に迷って民間地に入り込んだと聞いている」と説明している。沖縄では4月にも米軍の水陸両用艇が訓練水域を外れて走行、サンゴ礁を傷つけたばかり。生活の場まで踏み荒らす一連の事件について沖縄現地では「米軍は余りに身勝手。なぜ政府はそれを許しているのか」「露骨なまでの県民蔑視。許せない」などと、激しい抗議の声が上がっている。

低空訓練ルート

 昨年6月に嘉手納基地で起きた海兵隊の垂直離着陸戦闘攻撃機「ハリアー」の墜落事故報告書で存在が明らかになった。同報告書によると低空飛行ルートは「パープルルート」と呼ばれ、コースは鹿児島県のトカラ列島西方から沖縄本島の西100キロの久米島北方まで。
 墜落したハリアー機は、このルートを低空飛行して久米島近海の射爆訓練場に向かう途中だったという。日本の航空法では航空機は住宅密集地上空での最低高度は300メートル、それ以外は150メートルと規定されているが、在日米軍には国内法が適用されていない。
 低空飛行訓練に詳しい山口県岩国市の田村順玄氏は「低空飛行ルートの存在は嘉手納基地にハリアーが常駐化する根拠。危険な低空飛行訓練と攻撃訓練が一体化していることが明白になった」と話している。

(詳しくは5月14日付け琉球新報を)

 それにしてもこの飛行ルート、米軍と政府が取り決めている演習空域には含まれていない。沖縄近海と上空にはいくつもの制限域があり、民間機はそれらの区域をぬうようにして飛行しているため、航空関係者のあいだでは「沖縄の空は世界一危険な空」と言われている。「パープルルート」の存在で、ただでさえ狭い沖縄の空はさらに狭くなったといえる。
 
在日米軍の同行を監視している市民団体「リムピース」の調査では、「1997年と98年の2年間にパープルルートを飛行した米軍機は151回に上り、国内の低空飛行ルートの中でも飛行回数が多いという。なお、米軍の沖縄周辺における「訓練空・水域」については、私の近著『沖縄 近い昔の旅・非武の島の記憶』(凱風社)の「ジュゴンの海・人魚に助けられた人間の話」に地図が載っていますので、ぜひご覧ください。

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