趣旨

 外から見た沖縄のイメージや、実際に沖縄を訪れて抱く沖縄への想いはひとりひとりで異なるものを持っているのではないでしょうか。自然の美しさ、海や空の透通って突き抜けるような青さ、ひとびとの温かさ、弾けるように軽やかでそれでいて優しい三線の音色etc・・・。それらのいずれをとっても、とても大切で尊いものです。けれど、外から眺めているだけでは見えない沖縄。旅行者として沖縄を訪れる少しのあいだだけでは、知ることのできない沖縄の姿もあるのではないでしょうか。

 私たちは、沖縄に関する人々ひとりひとりが抱いている沖縄へのイメージや想いを、それぞれの声を通じて聴いてみたい。そしてその声を、インターネット・ラジオを通じて、ひとりでもたくさんのひとに聴いてほしいと思いました。それはこれまで伝えられてこなかった沖縄の姿を、沖縄の声に耳を傾けて沖縄の声をRadio813から発信する、という営為を通じて少しでも伝えていきたいからです。
 果たして、沖縄から聴こえてくる声はどんな音色がするのでしょうか。どんな意味が込められているのでしょうか。きっと今まで誰も聴いたことのない声が聴こえてくると思います。誰も伝えなかったことを伝えていきたいです。

 ここでの私たちは「沖縄の声を発信していこう、届けよう」とする声の持ち主であると同時に、リスナーの一人ひとりになって、真摯に沖縄の声に耳を傾けていきます。「私たちが知っていると思っていた沖縄。沖縄ってこうだよね、と抱いている既成のイメージ」に捉われることのない、様々な沖縄がこのRadio813を通じて聴けるように。

 またパーソナリティである二人は、沖縄出身者ではありませんが、このRadio813を主催し、支えてくれているひとびとは、沖縄出身者も、沖縄県外の日本出身者もいます。そのような多様な立場を生かして、様々な角度から沖縄を照らし出していきます。

 ところで−とっても重要なことなのですが−Radio813の「813」は、8月13日の「813」です。みなさんは2004年8月13日に沖縄で起きた「事件」のことを覚えているでしょうか。
 それは真夏の晴天の一日に起きたことでした。沖縄県の宜野湾市には、住宅が密集する街の真ん中に、膨大な規模で存在する普天間基地があります。そこから飛び立った米軍ヘリCH-53Dが、普天間基地に隣接して建つ沖縄国際大学構内に墜落・炎上しました。
 「事件」は沖縄で特段の扱いで報道され、県内各地で膨大な規模の基地と隣接して暮らす沖縄のひとびとを震撼させました。けれども「事件」から日が経つにつれ、沖縄での報道は下火になり、沖縄県外では殆ど報道されません。加えて「事件」を風化させないために、と保存活動が行われた米軍ヘリによって傷つけられた大学校舎の壁は、撤去されました。

 この一年で−たった一年と私たちは思っています−あの事件が記憶の中に置き去りにされていくような現象が起きています。けれどもヘリが墜落するような危険な状況のなかに沖縄がある、という状態は今も続いていることなのです。だから、沖縄について様々なひとが話す声の向こうに、常にそんな沖縄が存在している、ということも想像しながら聴いていただければ、うれしいです。

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